発達障害[神経発達症/神経発達障害]
知的に問題はないのに、人間関係の苦手さが強かったり、行動面で不注意と多動・衝動が目立ったり、特定の学習での苦手さが深刻であったり、運動や手指の動きが極端に不器用であったりする人たちのことです。
ここではおもに自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如多動症(ADHD)、発達性学習症(LD)、発達性協調運動症(DCD)の4タイプの説明をします。発達障害は脳の機能に何らかの問題があるのではないかと考えられています。
自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害 ASD:Autism Spectrum Disorder
対人関係の苦手さが強く、何らかのこだわりがあります。
自閉スペクトラム症のスペクトラムとは連続体という意味です。
独自の特徴が軽いものから重いものまでグラデーションのように存在しているということです。
注意欠如多動症/注意欠如多動性障害 ADHD:Attention Deficit Hyperactivity Disorder
不注意があり多動と衝動のため、行動のコントロールが難しいです。3タイプがあります。
- 不注意のみ
- 不注意に多動と衝動
- 多動と衝動、とされる。不注意はあっても、周囲には目立たず判りにくい
発達性学習症/発達性学習障害 LD:(Developmental)Learning Disabilities
学習面で特定の能力の困難さが極めて大きいです。 要因は下記の算数不全以外では、音韻障害と視覚認知障害が関与していることがわかっています。
- 読字不全(読字障害)
文字を読むことが困難 - 書字表出不全(書字表出障害)
文字を書くことが困難 - 算数不全(算数障害)
計算と推論が極端に苦手
発達性協調運動症/発達性協調運動障害DCD:Developmental Coordination Disorder
運動や動作の不器用さが極めて大きいです。脳の機能では協調に問題があると考えられています。
協調とは脳が五感からの情報を収集し、うごきの目的からバランスを含めた身体運動全体を円滑にコーディネートするはたらきのことです。五感は触・視・聴・味・嗅覚であり、ここに固有受容覚(自分の身体各部の位置や動き、力の入れ具合などを感じる感覚)と前庭覚(重力や回転、スピードを感じる感覚)が加わり7つの感覚となります。
運動や動作とは、細かな手指の動きから姿勢保持や身体活動などのことです。