おもに発達や知能特性をみる検査
K式発達検査
京都市の児童院、現在の京都市児童福祉センターで開発されました。K式のKとはKyotoのKに由来します。
発達検査の創出は、知能検査の対象年齢が当時は児童以上であったのに対し、さらに低い年齢の幼児や乳児を検査対象にすることから始まりました。
発達の観点は「姿勢・運動」、視覚的な認知力と具体的な物の操作能力を評価する「認知・適応」、語彙力と生活で用いる知識と社会性を評価する「言語・社会」の三点と全体から発達年齢と発達指数(DQ)が得られます。発達指数(DQ)は知能指数(IQ)と同じようなものとお考えください。14歳からは偏差値換算した偏差DQ(発達指数)で示されます。現行版は新版K式発達検査2020です。
この検査ではすべての年齢層をカバーするものの、魅力と特長が発揮されるのは乳児~児童であるとされています。
WISC WAIS
アメリカ人のデイヴィッド・ウェクスラーが創案しました。この検査は創られた時から知能の複数の観点を測定していました。それは個人内差という個人の知能の特徴をみることにつながり、知能特性が明らかにされる研究に発展すると発達障害を持つ人たちに活かされるようになります。検査では全体のIQと4~10の知的特性の指数が算出されます。現行版はWISC-ⅤとWAIS-Ⅳです。
WISC-Ⅴは子ども用第五版で対象年齢は5歳0ヶ月~16歳11ヶ月です。
WAIS-Ⅳは大人用第四版で対象年齢は16歳0ヶ月~90歳11ヶ月です。
おもに性格をみる検査
ロールシャッハ
スイス人のヘルマン・ロールシャッハが創案しました。インクのシミで描かれた10枚の絵カードを見て「何にみえるのか」が問われる検査です。「心のレントゲン」と呼ばれることがあります。認知のあり方や感情的のはたらき等、をみることができます。
バウム
スイス人のユッカーのアイデアをスイス人のカール・コッホが心理検査として体系化しました。木を描く検査です。ヨーロッパでは木を「人の似姿」とみる伝統があり、このような考え方からこの心理検査は誕生します。描かれたものは「無意識の自画像」とされます。性格特性を多面的にみることができます。
風景構成法
中井久夫が創案しました。風景を描く検査です。箱庭療法の作品を用紙に描いたようなもので「心象風景」と呼ばれることがあります。検査以外には治療法としても活用され、検査では性格特性などをみることができます。